まとめ

立法論で考えるのであれば、「消費者の利益」だけではなく「著作者の利益」も同時に天秤に乗ります。
自炊代行と言うのは、この天秤に乗せたときに、「著作者の利益」を大きく損失させかねないものです。危険すぎる。

そこで個別の著作物、個別の事例を取って「そうではない」と言うのは、『立法論として不適切』です。立法論を言うのであれば、著作物全体を同時に視野に入れなければならない。本以外も含めてです。

私的複製はあくまでも「零細」であるべきです。今後の将来にわたってです。零細であるからこそ、著作権の制限として立脚してよいと考えます。零細だからこそ「フェアユース」として認められるものだと。

本の複製は手間だ。それは認めます。しかしその「手間」がDRMの一種であり、「著作財産権」を守る一つの方法なのが、現実でしょう。

その手間をかけての複製、それ自体は禁止されていない。
だからこそ、「自炊代行は認めないが、自炊は認める」と言うのを法の落としどころとするのは、消費者と著作権者とのバランスのちょうどよいところだと、私は考えます。