太陽の黒点の数について (20091210)

b:id:sinx さん

黒点は太陽の活動が低下しているときに発生するので黒点が少なかった近年温暖化していたのは当たり前なのでは?

まず一つ目。
「太陽活動が低下」すると「黒点が減り」
「太陽活動が活発」になると「黒点が増える(発生する)」
です。
ですので、「黒点が少なかった近年」は、「気温は低下する」が正しいです。
 
二つ目。
近年は黒点の数が減る→太陽活動が低下している→氷期の入り口が今だろ→だから気温は上がらない
というのが「温暖化の反論」の一つです。
これは過去の事実として
黒点の数が減っている」時期に「気温が寒冷化した」という事実が記録されている事があるためでしょう。「マウンダー極小期」です。
 
なるほど、この推測までは問題ないです。
しかし、問題は平均気温の変化のトレンドです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E6%A5%B5%E5%B0%8F%E6%9C%9F
右側の図を見ると、極小期に入りかけている時点から、すでに気温は低下のトレンドを見せています。
しかし現在の平均気温の変化のトレンドは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E6%B8%A9%E6%9A%96%E5%8C%96
ここの図に対しての今回の疑惑でもせいぜいが「あがり方はそれほど激しくない」です。
つまりトレンドとして「低下」ではありません。
現在言われているようなほどの極端な「上昇ではない」がせいぜいの疑惑であって、「低下」は示されていないのです。
 
つまり、「現在は太陽活動の極小期に入るんだから(≒黒点が減ってるんだから)、温暖化なんてならない」という反論というのは

  1. 世界の平均気温のトレンドとして「低下」傾向が示されていない
    • 現実問題として、『海面上昇によるものと思われる、いくつかの島の水没問題』『極地の永久凍土の溶解』『高地山地の永久凍土氷河(20091211T0545修正)の氷解』など、平均気温上昇を示す現象が観測されている。
  2. 太陽活動が極小期を抜けた後に「平均気温の上昇」が始まるが、平均気温が「下がっていない」場合にどうなるのか?

といった問題が厳然と残るわけです。
私はそこを指摘しているのです。
 
ご理解いただければ幸いです。