不確定性原理を覆せる?

量子コンピュータがハイゼンベルクの不確定性原理を覆す日 | ギズモード・ジャパン
と言うのがあがってた。

量子コンピュータの鍵は量子ビットにあります。つまり量子メモリを構成する個々のユニットですね。
 
計測手順ですが、まずはあらゆる変化の状態と自由度が確保できる充分な大きさの量子メモリに粒子をエンタングル(絡み合わせること)します。次にその粒子を切り離し、どちらかひとつの属性を計測します。もし位置を先に計測したんなら、次は速度を計測するよう、この量子メモリのキーパーに研究者から指示を下す、という具合に。
 
不確定性原理も影響が及ぶのは粒子どまりで、メモリまでは及びませんから、キーパーで無理なく2回目の測定値が取れるのです。つまりハイゼンベルグの原理などどこ吹く風で、両方その場で正確に(超難解な数学のことなので「ほぼ正確に」でしょうか)計測ができるというわけです。

量子コンピュータがハイゼンベルクの不確定性原理を覆す日 | ギズモード・ジャパン

説明が足りなくて、これだけじゃさっぱりだけど、それでも不確定性原理を覆せないだろ。
で、想定している状況がよく読めないんですが、

メモリ内部のqbitエンタングルさせた粒子に対して「位置」と「速度」を測定すれば、メモリ内部のqbitの「位置」と「速度」も相対的に出せる

って事?
でもこれだと、取り出した粒子Aに対して、『速度(α)』と『位置(β)』を同時に計ることができないから、当然不確定性原理を覆せていない。と言うか、A−αの時点でエンタングルが解除されるために、βの計測はメモリ内のqbitと関係しない。
結局、「覆せる」と言うのは嘘だろうと。
 
で、これが

エンタングルした粒子を2つ取り出して、1つで速度を、1つで位置を計測すれば、不確定性原理を覆せる

と言う意味だと、確かに個別には計測できるから不確定性原理を突破できるように見えるけど、これどの程度粒子が「絡まった」かを根本的に計測できないから、どの程度まで『相手の粒子の数値として妥当』か見当つかない。
結局、「位置」と「速度」が同時にわからない。
以上に、計測で量子状態が壊れるから、その時点でqbitとして役立たずだろ。
 
で、?Bで英語を読んでくれた方が。

uruloki science, physics, quantum 量子もつれ粒子の両方の測定結果から、不確定性を限界まで小さくした結果を予測可能で、その下限はもつれ度合いに依存するよ、と言うような事がリンク先には書いてあった。 2010/08/25 5 clicks

2番目の想定のようす。
と言うわけで、「不確定性原理を覆せた」わけじゃないと。
で、「不確定原理に示される限界に近づく計測ができるよ」と言うことなら納得。