?Bじゃ文字数たりねー(笑)
b:id:hobbling20100331#bookmark-20443178 さん

もちろんそういうやり取りがあった末のあの発言だよ。キャチーな台詞だからマスコミが前後のやり取りを無視して切り抜いただけ。

私が経過を見ていないという指摘の部分は甘んじて受けますが、私が言いたい事にそこは関係ありません。


学術、科学と言うのは、ある意味『自分が一番に』真理を見つけるということが、その存在の大前提ではないのでしょうか?
それがコンピュータ科学でも外部からの指摘として「このままでは1位にはなれない」と言うのが限度ではないのですか?


「2位じゃダメなんですか?」と言うのは、科学に対しての指摘として正しいものですか?と言うのが、私の言いたいことです。
少なくとも「1位が重要だから予算が必要」の『1位が重要』は『科学』に対しては正解でしょう。『予算が必要』の『必要性への疑念』は問題にしていないことは、

「1位が重要でも現状計画だと無理ですよね」

で書いていますよね。


では「2位ではダメなのですか?」はどこに対する突っ込みですか?
『1位が重要』に対する突っ込みですよね?
これは『予算』に対して、『何を』否定した言葉になりますか?


私はこれは『計画と予算』に対してではなく、『科学を理解していない』、『科学を否定』した言葉にしか見えません。
だから、この言葉が出た時点で、どれだけ正しいお題目で反論が出来ていたとしても、『根本的に科学を理解しての反論』とは受け止められないんですよ。
なので

日本人って本当に理系や技能系にきちんと金を払うのを嫌うよね。

なんです。他にもいろいろと「嫌っている」のを見てますから。


コンピュータ計算速度で1位を目指すというのは、すでに(本来の漢字での意味で)馬鹿げたパフォーマンスにしかならないのも、情報科学を専門とした身として理解している。
官僚の訴え方がぜんぜん様になっていないこと、事業仕分けの場できちんとした意味のある反論もあったことも知ってます。
それらを全て含めた上で、それでも「なんで2位じゃダメなんですか?」の質問は、『科学』の全てを否定としか受け止められないんですよ。それくらい、科学を理解していない、理解しようとしていない反論にしか見えない。


現在の科学と言うのは、ほとんどの分野で莫大な金がかかります。
大学が個別に金を集める程度じゃ話にならず、国家単位での予算をつけてもらうしかない。それを世界中の学者で共有するという形を取らざる得ない。
そして、科学や技術と言うのは、生活の根幹を支えています。
と言うことは、我々の生活を支えるためには、科学や技術に対して金を出す必要がある。
ましてや日本の資源と言うのは諸外国に比べて少ない。広い領海があるので海底資源が莫大な可能性がありますが、これとて科学の発展が無ければ採掘が難しい。
日本が生き残るために科学に金を出す「態度」と言うのは必須ではないのでしょうか?


で、本来はそういった政治を考え、未来のために投資するパトロン側が「2位じゃダメなんですか?」の発言なんですよ。
ただでさえ日本の優秀な研究者は産学問わずに海外流出してしまっている状況、自国で育てる判断を下す官がこの程度では……


たった一言です。
マスコミがキャッチャーに取り上げたといいますが、それはこれがそれだけ「決定的」な言葉になったからでしょう。
けど、ここまで「科学を理解していない発言」が、権力者側から出ることが「真っ当」といえるのでしょうか?
私の言いたいのはそこなんです。



まぁ、もっとも日本の大学にそこまで価値があるのか?と言う問題は別途存在しますが。
大学に入るのが難しく出るのは簡単と言うのは前から言われてきた。大学が「学ぶ」場所じゃなく「遊ぶ」場所になってるとかね。
それが今じゃ全入時代とふざけたことを言っているし。
大学自身もどこまで本気で考えて人を取ろうとしているか分からない。
大学と言うのは学問の最高峰の場であるはずが、遊び人の巣窟になってやいませんか?と。海外の「金で学位が買えるペーパー大学」を笑えない状況になりつつある。
政府も政府で博士を増やすとして、盲目的に増やした結果、増えた博士は職にあぶれる。
産は産で、大学を会社の研修の場代わりにしろと言う求め方をはじめる。
全てにおいて日本の学問を取り巻く環境が崩壊し、『学』のためのルートではなくなってるのではないか?というのは問題だと思いますけどね。


日本の将来を見据えて、これらの問題を解消する旗振りを官がやるべきだが、それが「2位じゃダメなんですか?」が飛び出るようでは、本当に絶望です。
事業仕分けは『金を出さない事』を前提に話をきめ打ちしてるようにしか見えないんですよ。じゃなければ「2位じゃダメなんですか?」なんて出てこないでしょ。
正しい理屈「のみ」で叩きのめしてこそ論になるのでは?
それが事業仕分け人は「あんたは黙ってて」と話を聞く耳も持ってないですしね。



「2位じゃダメなんですか?」につながるのか理解できない。
正しい理屈としてつながっているように考えられない。
以上、理解していただけたでしょうか?


もっとも、学問の先端が何に役に立つのか?と言うのは、何にもわかりゃしませんけどね。
素粒子論が分かったからと言って、今現在の我々の生活がガラリ変わることはないと思われるように。
しかし、数学の整数論なんか純粋数学の代表として「現実と係わり合いがない」と考えられていたものが、実際現在では生活に必須のものとなっている。暗号理論に直結していて、私たちのブラウザに https などで通信経路の安全性を語るのに必須となっている。
量子力学のトンネル効果は CPU 微細化加工での問題となっていたり。
相対性理論GPS を語る上で必須の理論です。
こんな風に、科学の最先端と言うのは、未来において何に役に立つかわからない。



コンピュータ計算速度1位が馬鹿げたパフォーマンスでしかないと言うのは先に書いたとおり。
そういう意味では「1位を目指す」と言うのは、本質的な意味で価値は無い。
しかし、「1位を目指す」ために蓄積される知識、開発される技術と言うのが重要で、それが未来に役立つ『かもしれない』。


これが2位でいいとなったら、そりゃどっかで使われてる技術を買ってくればいいだけ。しかしこの道を取ると永遠に技術を「買ってくる」だけになりゃしないか?と。
学問のどの分野でもそうだが、1位を目指して走り続けると言うのは、1位に近い位置に居るほど困難となる。ましてやドロップアウトしてしまえば、復活するのにどれだけの物が失われるか。
実際、官の動きの問題で iPS 細胞研究は海外にすでに並ばれているような状態。特許の有無ってのは産にも重要な問題なのに。
そうして特許を海外に押さえられると、金が外に出て行くだけになってしまう。
それは国の活力を活性化させる方向だろうか?


学問と言う「知財」に対して、国の認識は本当に足りているのだろうか?
「2位じゃダメなんですか?」と言う発言が出たことが、その答えを指しているように感じてならないんですが、どうでしょう?