これ以上メタ重ねる気は無いので、?Dに移しますね

あえてホメオパシーとの「共生」を考える: H-Yamaguchi.net
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vid 全部読んでるよ。現行の延長としての「共生」で考えてるから、ああいう反応したんだけどなぁ。偽薬としても筋が悪い。「200年前の西洋医学」としての生まれも考えると、どんなホメだろうが否定された理論なんだよ。 2010/08/27

id:watchcat:20100827#bookmark-24379567 さん

『必要なら、協会が、現代医療と両立できる新たなホメオパシーでも「開発」すればいいではないか。』と書いてあり、「現行の延長としての共生」と読み取れなかったのですが。そもそも共生って 2010/08/27

では質問です。ホメオパシーの理論ってなんでしたっけ?

「新しいホメオパシー」は「ホメオパシー」か?

ホメオパシーの根本原理、根本理念と言うのは、

『病気(A)』と『同じ症状を出す物質(B)』を用いて、Bをとことん希釈して毒性を取り除き摂取することで、体内にAに対する抵抗力をもたらす

と言うものです。どのホメオパシーもここに根源があります。
好転反応を掲げていないホメもあるという突っ込みもありましたが、根本のここを「否定」したホメオパシーはありません。
と言うか、この根本こそがホメオパシーホメオパシーたる所以ですから。
 

で、現行の科学でこの根本が完全否定されています。
ですので、「新しいホメオパシー」と言うのは、根本的に生まれないのです。ホメオパシーホメオパシーたる理論の根幹がダメダメなので。
なので

必要なら、協会が、現代医療と両立できる新たなホメオパシーでも「開発」すればいいではないか。彼らが生き残りたければ、ぜひそうすべきだ。

「協会」の寄って立っている根本が「現行医療」とそもそも『両立』できないんですよ。
それでも両立を!とかやったら、それはもうホメオパシー『ではない何か』です。

 

ホメオパシーは200年前の科学です。
科学は進歩によって、過去の理論が間違いだと分かると、それを捨てます。
拾いなおすには、新しい客観的証拠とそれに基づく論証でもって、「捨てたことが間違いだ」と証明する必要があります。(宇宙項が事例になる)
ホメオパシーを「新しいホメオパシー」として、それを『科学の論理』として扱うのであれば、『科学としての手順』が必要です。
ホメオパスはそれを行っていますか?

偽薬について

ここからは、枝葉の部分です。
ホメオパシーにも偽薬効果があるのだから、「効果」は確かにあるだろうという言説。
或いは、ホメオパシーにも偽薬効果があるのだから、西洋医学としてこれを取り入れればいいじゃないかと言う言説……こちらは未だに見た覚えは無いのですが、前述のHYamaguchiさんの「新しいホメオパシー」はこれに近い考え方に見えます。
 

まず偽薬効果、プラセボ効果ですが、これについて『薬』に対してどれくらいの「効果」があるのかは、さまざまに検証されています。ここは西洋医学でも否定されていません。
偽薬(プラシーボ)はこんなに効果があった…10の研究結果:らばQ
 

そして、西洋医学でも偽薬は『現に使用されています』。偽薬の効果を現実に用いることも否定してはいません。
http://www.nytimes.com/2008/10/24/health/24placebo.html
via.米国医師の半数が偽薬(プラセボ)を患者によく処方 医師の一分/ウェブリブログ
雑薬学研究室〜メチルゾーン〜:錠剤のプラセボ
実際に米国では子供用にプラセボ錠剤も市販されているとか。よさげな日本語のページがあったんだけど、どういう単語でぐぐったか思い出せず到達できなかった(−−;;
 

ちなみに、近年になってわかったことに

  • 針治療に治療効果は無い
  • しかし針治療のプラセボ効果は錠剤などより大きい(元々、錠剤より注射の方がプラセボ効果が大きいなどの事例は論文にもあるそうです)

などもあります。
閑話休題
 

しかし、プラセボを用いること、それ自体に問題があるという指摘があります。
http://www.47news.jp/feature/medical/2010/01/post-248.html

偽薬、説明せず使用も 
痛みや不眠に、全国調査

 患者の病気に対する薬としての効果はない砂糖やビタミン剤などは、新薬の効果を確認する試験で、偽薬(プラセボ)として対照群に投与される。だが日常の治療でも、暗示的な「プラセボ効果」での症状改善を期待して使われ、事前の説明がないケースもあるとする全国調査の結果がまとまった。
 小松明・帝京大教授(生理学)らが2008年12月、全国の病床数300以上の病院を対象に内科系・外科系病棟の看護責任者計1910人に調査。408人(21%)から回答を得た。痛みや不眠などを訴える患者にプラセボを与えた経験があるのは88%。医師による説明は「なし」が53%、「(患者側の)同意なし」は66%だった。
 プラセボの効果は「ある」が39%、「どちらともいえない」が56%、「ない」が6%。「倫理に反するか」との問いには、そう思うとの回答が46%だった。
 一般の看護師への意識調査では「効くのであれば倫理には反しない」という声の一方、「薬の名前が分かるものを見せてくれと言われた」経験のある人や、「患者に事実が伏せられ葛藤(かっとう)を感じる」という人もいた。
 小松教授は「現在はインフォームドコンセント(十分な説明と同意)が基本。患者に、この薬はプラセボとは言えないだろうが、使うこともあり得るという事前説明は必要ではないか」と話す。
 この調査では、プラセボを使った患者の病名や状態は不明だが、使用の背景には、鎮痛薬や睡眠薬などの使いすぎへの警戒感があるとみられる。
 ただ痛みに関し、専門医は一般論として「プラセボは使うべきではない」との見方を示す。
 国立がんセンター中央病院 緩和医療科の的場元弘・医長によると、がんの痛みに対し、以前はモルヒネは少量しか使わず、患者が繰り返し痛みを訴えると「痛み止めの薬」と言ってプラセボが使われていた。だが世界保健機関(WHO)が1986年、モルヒネ使用を含む治療法を公表。的場医長は「この方法により80〜90%で痛みを緩和できる。適切な薬の使い方が必要だ」と指摘する。
 順天堂大 麻酔科学・ペインクリニック講座の井関雅子・先任准教授は「痛みに対してプラセボ効果があるのは事実。だが患者に断らないで使うと、信頼関係が損なわれるため治療が成り立たなくなる。痛みの機序は複雑で、薬などでもなかなか治らない人もいる。その状況を説明し、心のサポートをする方が重要だ」。

近年になって重要視されている「インフォームド・コンセント」と「プラセボ」と言うのは非常に相性が悪い。
 

精神がもたらす苦痛に対して、「医者が処方した薬」と言うのはプラセボとしても効果が高く、実際に薬を欲しがる患者に「偽薬」でもって『心の安寧』を与える事で痛みを取り除くという効果を期待できることは、現行の医者なら全員知っていることです。
しかし、「プラセボ効果」と言うのは「知らない」と言うのが重要になる。
近年では事前説明と合意が重要視されるため「偽薬を用いる可能性がある」事を伝えておかなければならない。
しかしこの説明と言うのは、「プラセボ効果」を減らす可能性がある。
それどころか「ノセボ効果」と言うプラセボの逆の効果……真っ当に効く薬の薬効効果が「精神状態」によって『効きにくくなる』効果すら、或いは薬の「副作用」と信じられている症状を『強くする』効果すら、出る可能性があります。
 

そんな問題があるにも関わらず、それでも倫理問題として「患者を騙すことは是か」と言うのがあって、医療現場で偽薬を使う事が問題になっているわけですよ。
 

ホメオパシーは「偽薬」に対するこういう倫理問題をどう見てますか?

心理療法としての問題

日本の医療問題として、3時間待ちの3分診療といわれることがあります。
このように、今の日本の医療問題として『患者の声を聞く』と言う精神ケアが足りないというのは、あちこちであがってる指摘の通り。
そういう面で見れば、ホメオパシーのいう

個々人に合わせたレメディが必要で、そのために患者の症状をよく聞いて、その症状にあわせたレメディを処方するには、技術と知識が必要
(どっかで言ってたうろ覚えです)

の「患者の症状をよく聞いて」と言う部分は、少なくとも日本の現在医療問題として難しいところでしょう。
 

しかし、この問題はすでに『問題視』されているように、現在医療の問題として認識されていますね。
また、精神カウンセリングとして『話を聞く』と言うのは『占い師もやる』と言う皮肉もあります。
また、この手の問題としては宗教なども信者の話を聞いて、心の安寧をと言うのがあります。後年では金儲けの免罪符になってる面もありますが、本来のキリスト教の懺悔などがこの事例。
 

他、ホメオパシーのいう「怒りには怒りのレメディを、ストレスにはストレスのレメディを」と言うのも、同じような心理の問題です。ストレス発散が体に良い事も当然調べられてますし、逆にある程度のストレスは適度にストレス状態になる方が健康体になることも調べられています。緊張と緩和ですね。
 

話を聞くと言う部分では、確かにホメオパスは現在の日本の医療で欠けてる部分を補っていますよ。
しかしそこで用いるレメディに対する説明の『倫理』はどうですか? 前段で語ったとおり、医療現場で許される「倫理」ですか?

まとめ

あえてホメオパシーとの「共生」を考える: H-Yamaguchi.net

ここに書かれてる理念は確かに正しいですよ。共感しますよ。
しかし。しかしです。
ホメオパシーとの「共生」を考えるには、医療関係者ではない私のような一般人が、ほんのわずかな時間で調べた事柄についてさえ、前述のように大きな問題が横たわっているんですよ。
これらについてきちんと深く考察した様子が、HYamaguchi さんのページには見えません。
 

いいですよ。「新しいホメオパシーを開発」と言うところに立つのでも。
しかしそれだとしても、最低限『偽薬に対する倫理的問題』に触れる必要はあるでしょう。触れてますか?
実際に医者でプラセボ効果としてホメオパシーを使うという人も居ます。
「ホメオパシー」サイド反論「癒しで心理効果ある」 : J-CASTテレビウォッチ

クリニックでホメオパシーを取り入れている医師は、「一般の薬を併用し、心理効果に期待」しているという。「『癒し』の部分で、ホメオパシーは大いに役に立つと思う」

「ホメオパシー」サイド反論「癒しで心理効果ある」 : J-CASTテレビウォッチ

しかし、偽薬の倫理問題についてどこまで考えた行動なのか?と。
そして「偽薬」については西洋医学でも用いていることも考えていませんね。「高い金を払わされる」という、経済的な詐欺問題についても考察する必要があります。たとえ、プラセボでは「安い薬」より「高い薬」の方がプラセボ効果が高いとしても、です。
 

結局、ホメオパシーが「科学」に立脚する限り、「共生」は不可能なんですよ。
そりゃそうです。ホメオパシーは「200年前の科学(医学の推定理論)」であり、「100年前に科学(化学)で棄却された理論」なんですから。
 

最低限、これらを勘案した上でのああいった返しです。
確かに?Bでは文字数制限で「共感できるけどよ!」という部分は書けていません。そこについての突っ込みは受けましょう。
その上で、書いた内容の意図について、ご理解いただけましたか?