昨日の追記

?Bに返答を書かれてましたので、こちらも追記。
昨日(id:vid:20100528)の続きです。
 
b:id:what_a_dude:20100528#bookmark-21871888 さん

what_a_dude 2日前から発熱症状>臨床症状はない、と昨日いっていた件。vidこの状況では許容できない>口蹄疫以外。今回の初発>まとめありがとうございます。でもやはり許容はできない。 2010/05/28

許容については人それぞれの考えがあるので、情報を精査した上での許容出来る・出来ないについては触れるつもりはありません。許容出来ない人が一定数は居る事は、まず間違い無いです。
 
what_a_dude さんがそうだと言う気はありませんが、『口蹄疫の封じ込め』だけを考えて、悪く言ってしまいますが、宮崎県の未来などどうでもよいと言う考え方です。再度言いますが、what_a_dude さんの考えがこうだと言いたい訳ではないので、そこはご容赦願います。
むしろ、赤松農水大臣、山田農水副大臣はこの方向の考えをとっていると推測されます。ただし、最大限に好意的な見方を取ればですが。……にや顔のまま「だから早く殺せ、って言ってるのに」と言った事を考えると、封じ込めの考えなど全く無く、『俺の命令に従え』だけでしょうけど。閑話休題
 
生活よりも封じ込めを重要視する事を悪いとは言えません。
素早い殺処分はともかく、埋設した場合、その土地を利用するのが難しくなる。
口蹄疫問題の本質 - Togetter
この点を見ても、住人の生活をどこまで考えているか?と言う問題は残ります。
そう考えれば、これまた悪い言い方なのですが、宮崎県と言う一地域を犠牲にしても、素早く口蹄疫を殲滅させる事が最重要だと。
ワクチンベルトはその最たるものであり、実際に実行している事を考えても、こちらが重要であると言う考え方は間違いではない証拠です。
 
私もどこかに書いたのですが、まずは「再び畜産業が出来る土地にする事」=『口蹄疫を殲滅せる事』が重要と言うのも、また正しい。
口蹄疫が殲滅されない限り、畜産業の再生は無いわけなので、未来よりも現在が先だと言う考え方自体もまた間違いとは言えない。
こちらを重要視すれば、口蹄疫封じ込めとは反対の行動である49頭を生かすと言う考え方は許容出来ない。
 
となると、後は社会としてどちらの手段がより賛成を得られるかの話でしかありません。
なので、「許容出来ない」と言う判断自体は問題とは思いません。

私の視点

それに対し、私は畜産の現場に近い側が「生き残らせる」側の考えをしているので、この考え方を支持しています。彼らの生活を守り、彼らの希望を守る事が、ひいては日本全体での「畜産業」に対してのメッセージになる。彼らの生活を大事にするんだと言う。見捨てないと言う。
 
現実として日本の「和牛」の高級帯は、海外でブランド化している事実がある事から、「輸出産業」として未来があります。オーストラリアなどで和牛の精子が出て行って、「WAGYU」と言うブランドにもなっているほど、日本の高級帯の牛肉は質が高い。
口蹄疫が出てしまえば、その後「清浄国」に戻るのに時間がかかり、さらに輸出再開について二国間協議が必要なので、ブランド化に水を差されてしまった事実はあります。
しかし、そうだとしてもブランドを残しておけば次に繋がる。
 
そういった「輸出産業」として未来を担える彼らの『立ち直る意志』を後押ししたい。彼らの未来をつぶしたくない。
私は、これが日本の国益に叶うものだと考えています。
 
そもそも種牛49頭の移動ですが、現場では4/27には問題視されていました。
ところが、農水大臣がこれを聞いたのは5/10。6頭の移動が5/13です。
外遊などせず現地と協議をしていれば、もっと早く、多く、移動出来た可能性が高いです。
こういった事実もあるため、現場の意見を無視するのはどうかと思ってしまう。
 
余談になりますが、種牛の罹患についても、潜伏期間(平均3〜6日。ただし10日以上もありえる)を考えると。
エースは 5/13 移動、罹患が 5/21 から、感染は 5/15〜5/18。
49頭の内の2頭は、5/26として、感染は 5/20〜5/23。
全く無関係に感染しています。
4/27 での現場の懸念を受けて、5月頭から移動していれば、大臣が外遊しなかったらと。……歴史のifですが。
 
県が分散させていなかった事も問題は問題です。
しかし、事が起きてからでも助ける手段方策はあったのではないかと。政府がきちんと手を打てば。
そう考えると、やはり現場の意見を私は支持します。
 
今となっては2頭罹患が確定したので、49頭殺処分するしか無いですが。

私が気にした理由

私が気になったのは「発熱」を「口蹄疫」の判断としていると言う部分でした。
発熱は口蹄疫に限らず、多くの病気の諸症状です。下手をすれば体力が落ちただけでも出る。
PCR検査ではなく「見た目」での判断とする場合、口蹄疫の症状は「水疱」「よだれ」ですので、26日からの発熱があったとしても、27日の「潰瘍」の確認まで『罹患したと見ていない』と見るのは、間違った判断では無いと私は考えます。
 
私がここで重要だと考えている事は、家畜の観察をこまめに続けているかどうかです。27日夜には知事が判断を変更する事態になった事から、責められなければならないほど観察を怠ったとも言えない。
突っ込みたいのもあくまでその部分でした。
ですので、発熱=口蹄疫と言う判断は勇み足である事を納得していただけた上で「許容できない」事は、問題無いと思います。

種牛の話だけ注目されてるけど

畜産の未来を気にしているなら、種牛だけで問題無いわけじゃありません。
今回の事例でも、種牛には注目していますが、種豚は報道含めてほとんどありません。
また、動物の繁殖は雄だけでは当然足りないわけで、肉質の決定は繁殖雌牛の血統も問題です。こちらもまた無視されているとも言える。
まぁ、繁殖雌牛も種牛からの血統らしいのですが。
 
報道が無い状態ではどうしようも無いとも言えるのですが、種牛だけクローズアップされて、他にはさわりもしないと言う部分。
こういう部分で、結局は偽善であると言うのはわかってるんですけどね……

風評被害の暴言が頭に来た

現場を知らずであろう、この暴言は許せない。絶対に許せない。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100530k0000m040028000c.html
http://www.47news.jp/CN/201005/CN2010052901000526.html
http://sankei.jp.msn.com/life/body/100529/bdy1005291800000-n1.htm

生産者団体、種牛5頭処分求める 口蹄疫で避難のエース級
 全国肉牛事業協同組合日本養豚協会は29日、都内で記者会見し、口蹄疫問題で宮崎県に対し、現在特例措置で避難させているエース級種牛5頭の殺処分を求める意向を明らかにした。

 5頭にも感染の疑いが否定できないためで、日本養豚協会の志沢勝会長は「種の保存よりも(確実な封じ込めで)日本の畜産業界を守ることの方が大事だ」と訴えた。

 避難しなかった49頭の種牛について、同じ農場から感染牛が出たのに宮崎県が延命を求めたり、その後の発症を国に報告しなかったりしたことも批判。「犠牲を強いられた生産者及び全国の生産者に対する裏切りで、疫学上あり得ない言語道断の行為」と非難した。

 県が保有する宮崎牛の種牛が全滅した場合の影響に関しては、全国肉牛事業協同組合の山氏徹理事長は「種牛は民間にも国にもいる。(感染の疑いがある牛がいる)今の状態では宮崎に牛を買いに行けないという声も寄せられており、残すことは長い目で見て宮崎の畜産のためにならない」と強調した。

2010/05/29 17:34 【共同通信

1: 感染の疑いが否定できない

PCR 検査による未感染の判定を『疑う』と言う事は、当然『感染』の結果も『疑う』必要がある。
よって、PCR 検査事態が「信用出来ない」事になる。
これは畜産の疫病学、そのものに対する疑いとなる。なのに、「疫病上」などと言う言葉を後に用いている。
都合の良い二重基準

2: その後の発症を国に報告しなかったり

デマ。
26日の発熱は、口蹄疫の典型症状ではない。27日の水疱と感染で口蹄疫と確認しており、これはニュースになっている。ニュースになってるって事は、報告も行ってるだろ。
後から26日の発熱が発症症状である事がわかったのであって、これを理由に「報告していない」と言うのは、世界トップの疫病学者でも無理な要求。
そのような神の能力を前提とした物言いは、明らかなる風評被害であり、デマである。

3: 犠牲を強いられた生産者及び全国の生産者に対する裏切りで

種牛を残してくれと言う声は、知事「だけ」だったとでも言うのか?

4: 疫学上あり得ない言語道断の行為

疫学を言うなら、口蹄疫の成獣の死亡率は低い。幼獣の死亡率はある程度ある。
人間で言うならインフルエンザのようなもので、人間の対応を見ればわかるように、「ワクチン」を一定量打つ事で感染爆発は防げる。
先に書いた通り、『疫学』を出すなら、そもそも生き残る病気なわけで、「ワクチン」もあるため、これにより感染可能性を減らす事が最適解。
科学により「PCR 検査」を否定した上に、生き残らせる事を「疫学上あり得ない」と言うのは、明らかなる二重基準である。
『疫学』を言うなら、ワクチンで生かす事が正しい。

5: 種牛は民間にも国にもいる

それじゃ、その種牛をそのまま宮崎に「くれる」と?
宮崎の種牛作成の歴史、作り上げた血統を全て否定すると?
それこそ宮崎の畜産業に関わる全ての人間を馬鹿にした言葉ですね。

6: 今の状態では宮崎に牛を買いに行けないとの声も寄せられており

明らかな風評被害

7: 残すことは長い目で見て宮崎の畜産のためにならない

種牛を作る事は5年10年がかりの一大事業。
そうやって残されたエースの血統は、それこそ国の財産。
『ブランド』の種をこれほど出鱈目な理由で『捨てろ』と言う事こそ、畜産のためにならない。

ローカルブランド?

?Bではすでに入れてるので、ダイアリーで失礼。
はてなブックマーク - 生産者団体、種牛5頭処分求める 口蹄疫で避難のエース級 - 47NEWS(よんななニュース)
ここので。

b:id:zyugem:20100529#bookmark-21904739 さん

zyugem ローカルブランドの危機という狭小な問題意識の設定がまず間違っているんだよ。 2010/05/29

ローカルじゃないですよ。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/071014/biz0710141953000-n1.htm

 5年に1度の和牛の祭典、鳥取県米子市を主会場に開かれていた「第9回全国和牛能力共進会」は14日、グランドチャンピオン(内閣総理大臣賞)の種牛と肉牛の2部門に、いずれも宮崎県産を選び閉幕した

日本全国の中でトップレベルです。

b:id:www6:20100529#bookmark-21904739 さん

www6 聞く耳持たない人達が、どんどん先鋭化していく様をリアルタイムで目撃中。野次馬は「種牛がいなくなっても宮崎の畜産を応援するぞ」と宣言していれば良い。知事に自分達のカタルシスを押し付けるな。 2010/05/29

少なくとも賛成で「先鋭化」って私の事だと思われるので反応します。まぁ、この反応を「先鋭化」と言うのでしょうけど。
何度も書いてるんですが、種牛と言うのは、作成に5年10年かかる財産です。何千頭と言う中から厳選しての血統です。しかもエースと言うのはそうやって厳選された中から、さらなる厳選された物。無くして10年で出来ると言うものではない。
それを捨てる理由がまっとうな物ならともかく、上に書いたように客観的理由の無い出鱈目な理由で捨てろと言うのは問題では無いと言うのでしょうか?
客観的な科学の言葉を都合良く利用しての二重基準による「捨てろ」の言の方が「聞く耳持たない」側ではないですか?