宮崎県口蹄疫:49頭の種牛の話

?Bへの反応
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100528k0000e040041000c.html

vid 一番恐れていたことが。これで残るはエース5頭のみか。宮崎の畜産が何年立ち止まるんだろ//↓発熱だけなら口蹄疫以外にも。水泡確認が昨日でその夜に殺処分容認だから時系列は間違ってない。 2010/05/28

b:id:what_a_dude:20100528#bookmark-21871888 さん

what_a_dude 2日前から発熱症状>臨床症状はない、と昨日いっていた件。vidこの状況では許容できない>口蹄疫以外。今回の初発は水泡がなかったのだから尚更。責任を問うつもりではないよ、無責任だとは思うけど。 2010/05/28

このやり取りから。
what_a_dude さん>私(vid)>what_a_dude さん追記
と言う流れです。
 
3/26 の時系列第1例は水牛です。水牛は口蹄疫の症状が出にくい動物です。
今回も風邪のような症状であったため、経過観察という判断になりました。
口蹄疫の主な症状は発熱以外では「よだれ」や舌、口内などの「水泡」です。
したがって、初発を「3/26」の水牛をさしているのであれば、「水泡がなかったのだからなおさら」と言うのは、牛の品種が違うために的外れです。
それでも症状と言うのであれば、「下痢」が必要です。
ちなみに、時系列第2例の牛の場合は、きちんと「水泡」が出ています。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100518k0000m040098000c.html

 1例目の感染疑い例が確認される11日前の4月9日。宮崎県都農(つの)町の農家で、口内がただれた牛1頭が見つかった。県は獣医を派遣したが、症状は軽く、他に症状のある牛もいなかったことから、口蹄疫とは考えにくいとして「経過観察」とされた。

 感染はそれ以前から広がっていた疑いもある。都農町の別の農場で3月、水牛に風邪のような症状が出た。農場側は風邪と判断したが、検体を採取して保存。口蹄疫が問題化した4月になって分析したところ、陽性と判明し、6例目の感染確認例となった。県は3月には既にウイルスが県内に侵入していたとの見方を強めている。

http://www.asahi.com/national/update/0519/TKY201005180565.html

 宮崎県都農(つの)町。3月下旬、ある農場で水牛が下痢になった。モッツァレラチーズを作るために飼われていた42頭のうちの1頭。往診した獣医師は、31日に県の宮崎家畜保健衛生所に届け出た。
 県も立ち入り検査したが、口蹄疫にみられる口の中や蹄(ひづめ)の水疱(すいほう)、よだれがない。便なども検査したが、下痢の原因となる菌やウイルスが見つからず、結論が出ないまま下痢は治まった。

 「口の中に軽い潰瘍(かいよう)のある牛がいる」。4月9日、衛生所に別の獣医師から連絡があった。2日前に往診したところ、1頭の牛が前夜から発熱し食欲がなく、口からわずかによだれがあったのだという。
 県の口蹄疫防疫マニュアルでは「(口の中の)水疱は発病後6〜8時間以内に現れ、通常24時間以内に破裂する」と記載されている。

したがって、「発熱」のみで「口蹄疫」罹患を『確定』とするのは、科学的に暴論だと考えます。牛の初発を見ても、最低でもよだれか潰瘍(水泡のつぶれ)が出ている。
 
次に、49頭が発症した地点ですが、「新しく範囲が大幅に拡大する」とか、近場の別の畜産農家を巻き込むとか言う場所ではありません。そもそもが 10km 圏内です。
悪く言いますが、今更罹患した牛が増えたところで、周りへの影響が強く出る場所じゃない。それに、元々ワクチンが効果を表すまでに発症する可能性があるわけで、ここでワクチンを打たずに発症したとしても、何の違いもありません。
 
それらに比べて種牛を殺すことの経済的損失の方が、『罹患していない状態であれば』大きいと考えるのは、今後口蹄疫が終息した後、畜産業を立て直していく『メリット』の意味で大きいです。
責任、責任といいますが、知事にはこの事態が終息した「後」の責任もあります。
ギャンブルと考えても、そもそも負けて失うものに対して、勝って残るものの方が遥かに大きい。
 
防疫体制の穴だといいますが、10万オーダーの話に49頭は、1%にすらなりませんし、そもそも牛よりも豚の方が重要です。更に地域的にも大きな問題が起こる位置ではない。
それに比べ、種牛と言う血統の経済的価値を考えれば、生き残らせることが悪い判断とは全然考えられません。種牛は、作り上げるのに5年、10年とかかり、その子供のもたらす経済効果は莫大です。
感情を排除した、今後の計画を含めての『経済』の話として、本当に「悪い判断」ですか? 『経済動物』だから『殺処分』が妥当と言う判断をしているなら、『経済』は常に付いて回る問題ですよね。
 
そもそも論として、同一の牛舎内で患畜が出なければ殺す必要が無いことは法的に認められています。
今回、新しく法律を作ったのは、こうして「殺す必要が無い」家畜を『予防的』『封じ込め』のために、新しく殺すためです。
49頭は、発症した肉質確認用の肥育牛とは別の牛舎です。
このことからも、49頭を残すかどうかは法律の不備の問題でした。
 
なお、患畜と確定した以上、速やかなる殺処分が妥当です。
罹患してしまえば、経済問題よりも、封じ込めを優先することが正しい。

別のところで

どうにも気になったので、別の情報を当たりました。
口蹄疫 - Wikipedia

「初診時(4月9日)には流涎(よだれ)と食欲不振しか認めず、発熱(40度、4月5日)も半日程度で消失した」ため、初診時は流涎と食欲不振だけしか認めない可能性有り

家畜衛生学講座

宮崎県獣医師会から下記の連絡がありました。
(平成22年4月22日)
   
事務連絡
宮崎県県獣医師会 支部長   様
社団法人宮崎県獣医師会事務局長 井手口


宮崎県における口蹄疫疑似患畜の1例目の臨床症状及経過観察について
(情報提供)

 このことについて、本県で発生がみられている口蹄疫の疑似患畜の1例目に対応された獣医師の先生から、本病の早期摘発と蔓延防止に寄与出来ればと初診からの臨床症状等の詳細な情報提供が下記のとおりありましたので、関係会員に早急に情報提供して頂きますようにお願いします。

 なお、本病は児湯地域を中心に疑似患畜が続発していますので、往診の際には診療車、衣服、長靴等の消毒の徹底や関係農家等の防疫意識のご指導をお願いします。

診療経過状況

1 往診依頼:熱発(40度以上)と流涎,食欲廃絶で農家から往診依頼あり
 2 初診:発熱はなくて流涎、食欲廃絶の症状以外はなく、口腔内の異常は認められなかった。


  (初診時には流涎と食欲不振しか認めず、発熱も半日程度で消失した)ため、初診時は流涎と食欲不振だけしか認めない可能性有り)

3 診療3日目:上唇基部に小豆大の潰瘍を1箇所認め、同時にすぐ横に小豆大の丘疹部(水疱ではない)を手でこすると、脱落し潰瘍を形成した。その時舌は、先端に2cm×3mm程度の表皮の脱落と中央部に退色が見られた。 

注意)このような症例の場合は本病を疑い、衣服、長靴、車等の消毒を徹底し移動には十分配慮しながら、最寄りの家保に報告して下さい。

追記; もし類似症例があった場合、口などを診る際、1頭ずつ手袋交換もしましょう。伝播防止。(末吉)

(コピー&ペーストで文字だけ持ってきています。見た目は崩れています)
やはり「水泡は無かった」と言うのを理由に「発熱=口蹄疫」と言うのは、現象面から見て違うと考えます。
初診時には、むしろ「発熱が無かった」とあります。
「初発」を理由にする限り、発熱だけで判断することは「初発と症状の順番が違う」ために、『口蹄疫に罹患している』理由になりません。