軽く返答

vid 科学“教”って……論理学は科学とは違うんだけどなぁ。論理破綻してる所が根本的な問題なんだが。あるいは客観性と言ってもいい。 2010/08/09

http://b.hatena.ne.jp/vid/20100809#bookmark-23985594

に対して

sqrt はてな 科学に対する認識はともかく、論理に対する認識は元ブログの方がブコメ群より「正しい」と思う…… 2010/08/10

http://b.hatena.ne.jp/sqrt/20100810#bookmark-23985594

だと思われるので、軽く返答しておく。メタで積み重ねる気はあまりないので。

論理とは?

私が元エントリの論理が「おかしい」と考えているのは、?Bで書いたように『客観性』に問題があるところをきっぱり無視しているからです。
科学と言うのは元エントリが言うように、『科学だから』と言うものではありません。
科学と言うのは『客観性、再現性があるから』科学です。同様のことは全ての学問の根底にあります。
そこで重要視されるのが『論理』です。論理でもって客観性や再現性を説明し、実証するのです。
 

ここで元エントリ(更に前のものもだけど)がおかしいのは、この客観性を無視しているところです。
「水が情報を記憶する」
ホメオパスはこれを『前提』に話しているから、科学はホメオパシーを論理的に否定できないという。
ちょっと待ってください。なんで『科学は』なんですか? 論理と言うのは科学と無関係なんですよ。
論理学的に正しいとするのは、例えば三段論法なら『大前提』が正しく、『小前提』が正しい、ならば、『結論』も正しい、です。
この「正しい」とは、『客観性がある』事であり、『再現性がある』事であり、だから『共通認識とできる』ことです。
ホメオパスの言い分であれば、

  1. 『原因物質が1分子もなくなったとしても(科学的知見)』『水は情報を記憶する』(大前提)
  2. 『水の記憶により体に「良い」影響を与えることが出来る』(小前提)
  3. 『よってホメオパスによる治療は可能』(結論)

です。
この大前提、小前提共に、客観性が示されていないんですよ。だから論理的に結論が正しいとはならない。
これは『科学』の問題ではなく、『論理学』の問題であり、そして『科学的知見』を利用しているから『科学』サイドから問題視されるんです。
 

今までの科学を否定していることが問題ではありません。そんなことは過去から今までさまざまに起きています。
有名どころでは

などなど。
医療の世界でも、『怪我をしたら乾燥させてガーゼで覆う』と言うようなものから、『傷口を水で洗った後は、ラップなどでくるむ』方が治りが早いというものがありますね。
 

再度言いますが、『今までの』科学を否定することが問題なのではありません。
「光より早いものはない」と言うのが、現代の相対性理論の根幹にありますが、これに異を唱え、「光より早い光がある」として理論構築している本物の物理学者だっています。
問題は、『今までの』科学――いや、ここは『客観的な論』と言い換えましょう――を否定することに対して、なんら『客観的な論証、実証』を示せていないことが問題なんです。
「水が情報を記憶する」と言うことの『客観的な実証』を示すことは簡単です。
「実験者による意思が影響する」のが事実であろうと『客観的な実証』を示すことは簡単です。
これらは『可能』なんですよ。二重盲検法じゃ示せないといいますが、二重盲検法と言うのは『科学』じゃなく『論理』の世界(客観の証明)の話です。
これらを行わずに、どころか『ホメオパシーイデオロギーと違う結果が出たことを認めずに』「今まである客観は嘘だ」と強弁を振るっているのがホメオパシーなんですよ。
 

だから私は元エントリーは『論理破綻している』と言っているのです。
なぜなら、このような「強弁」を『前提にしろ』と言っているのだから。
『科学はホメオパシーを否定できない』と言うのは論理的に間違えているんですよ。『ホメオパシーに客観性がないことは否定された』と言うのが正しい。
 

だからこそ、ホメオパスにはまってる連中を『科学の説明でもって』解き放てないというのは、正しい。元エントリーでもここは言ってますけどね。
彼らは『客観的な正しさ』を認めないのだから。
そもそも『現代の』ホメオパスは論理を信じていない、完全に気が狂った人間だと断定してもいい。論理を都合よく使ってるからね。まさに詭弁のガイドラインを『論理』として信奉しているのだから。