安易な輩が多すぎる
この話。
したがって、英国がやってるから〜だけで取り入れろというのは、盲目的外国礼賛主義者とも言うべき「馬鹿」であって、はっきり言って論拠にならない。
向こうの考え方は、王国・王位・王様・王家と言う形で、基本は家による継承がベースになる。その当主に対して「神から権威を授けられた」と言う形で王が認められ、統治と言う形を取る。
よって、女王でも問題が無い。したがって、今回のも男子「優先」の「優先」を外しただけ。
そして継承が基本「王家の者」となるため、『王朝』もまた「王家」が続く限りとなる。
東洋では考え方が違う。
日本では『王朝』の主である天皇は「神の系譜」と言う考え方を取る。その血統が尊い、だ。その考え方の元で、この系譜に「権威がある」としている。
それが日本の場合は「男系」となっている。
したがって、「宮家(西洋に言う王家)」が別れたとしても、「男系の子孫」であれば、例え傍系であっても天皇として迎えられる。
この違いが一番分かりやすいのは、日本の天皇は日本神道と言う宗教のトップの祭事者であるかな。西洋では、例えばバチカンの法王で、王とは違う人物だよね。
なお、この辺り、市井の「家」とは考えが違うことに注意が必要。
簡単にまとめると、西洋は「神の代理人(あくまでも人)」であり、東洋は「神の末席(神に連なる者)」であるという概念の違いになる。
この違いを無視して語っているのは、ただの伝統の破壊者でしかない。
日本の天皇で「女系」を認めた場合、そこで「大和王朝」が途切れ、天皇の権威の価値が落ちることになる。
これは国益に適うことか?
私は「否」と答える。
今、女子ばかりで男子が少ないと問題になってるけどさ。
皇籍から除外された宮家の中に、未だに男系男子の系譜があるんだよ。
彼らを皇籍に戻すことを考える方が、よっぽどかマシなんだがな。この話って、全く話題にされないんだよね。
何でこれがダメなのかすら言おうとしない。一度、市井に下りてるからと言うなら、結婚で皇籍に入る女性を馬鹿にしてるのと同じだと考えるがな。
天皇ってのは傍系であろうと「男系血統」の問題であって、「時の地位」じゃないんだから。
そして、天皇の継承問題で唯一残っているものが「男系」だけなのだから(家は傍系継承で変更あり。女性も中天皇として数名あり)、天皇の正当性と言うのはここにしか寄る辺が無い。
それに、英国のを見習えとか言ってる連中、じゃぁ秋篠宮など宮家の人物の継承順位を下げろとは言わないよね。欧州のを見習うなら、そういう順位の変更もしなきゃならないはずなのに。
結局、伝統の価値を感情だけで破壊したいってだけじゃないの?
ついでに。
伝統の意味なんて知らん。「神の」血統だって言うのは幻想もいいところだ。そういう意味では、西洋の王家の「神の」権威だって全く同様に幻想でしかない。
しかし、そういう「幻想」「権威」自体は、信じる人間が居ることでの「価値」がある。金と同じだ。
ならその「価値」を損じないための手を打つべきだろ。
私はそういう観点から、女系は反対する。明らかに日本の国家として文化的価値が目減りするから。
私の態度は天皇文化を直接的には尊重してない。それは認める。
しかし「私の考えの外にある文化」に「価値があると認めている人の思想」は尊重する。思想信条の自由であり、また天皇は信仰の自由であるから。そしてそこに付随する「文化の価値」もまた尊重する。
だから、私の態度は天皇文化を間接的に尊重している。そのつもりだ。
女系は一体何を尊重しているの?
それによる価値は変更に値するものなの?