かつて、ホメオパスは科学であった

かつて、ホメオパスは科学でした。
『毒を薄めて摂取すれば、予防として有効ではないか』と言う考え、それ自体は今でも普遍的にあるものです。
それは、ホメオパスが嫌うらしい「ワクチン」であったり、また「アレルギー対策(典型例として花粉症対策の一部にある)」だったりします。
また、本物の『毒』であっても、薄めて摂取し続けることで耐性を持つという考えもあります。実際にこれもある程度は有効じゃなかったかな?
 
種痘(天然痘ワクチン)の牛天然痘の利用を見ると、これが1796年です。
またホメオパシーの提案者ハーマネンもこのあたりでホメオパシーの原理を「考案」しています。
他にも、各地にある呪術の一つとしての「感染魔術」などを考えると、薄めた病原を持って病原に対抗するという考えがあること、それ自体はおかしなものではないし、また『当時の科学』において実際に治る場合の治療方法があることなどもあったでしょう。
事実、種痘は天然痘ワクチンとして働きます。
 

このように、ホメオパスは『200年前』は科学でした。

そしてホメオパスは科学を捨てた

問題はここからです。
科学は常に問い詰めます。自然の法則に答えたこの理論は正しいのか?と。
そうして自問自答を繰り返すことで、科学は発展してきました。
 

ホメオパスはそのような『科学』を捨てていることです。
ホメオパスの言う「希釈」については、少なくとも原子、分子と言った『物質の構造』を研究の中で、1865年以後アボガドロ定数の測定以後は『確率的に分子が残らない』と言うことがわかっています。
よって、この時点でホメオパシー(のうちの希釈があまりにも大きなもの)は『科学として効果は起きない』事が『客観的に』証明されました。
 

現実に否定議論が起きたかどうかはともかく、物理を利用しての否定はホメオパシーが出来てから約70年後に出ているのです。この時点で「科学による論理的否定」がなされたのです。
 

なのに、今も「科学の能力を超えたところで影響している」として『科学のフリをしています』。
科学を自分たちのイデオロギーに合うように、都合よく利用している。
この時点で、彼らは『科学』を名乗る資格を失っているにも関わらずです。
 

もう一度言いますが、ホメオパシーは200年前の科学です。
そして科学は常に自問自答を繰り返し、間違いは必ず棄却します。
天動説を捨てたように。(地動説)
絶対座標を捨てたように。(相対性理論
宇宙項を捨てたように。(重力方程式の係数。最近復活しているけど、当時は間違いだと判断された)
決定論を捨てたように。(量子力学
よって、『自然』を見て『間違い』である理論であるホメオパシーもまた、科学の自問自答から外れた時点で捨てなければならない。
 
ホメオパスホメオパシーが科学であると一切名乗ってはならないんですよ。
 
ホメオパシーが「未知の科学」であるとして『科学』を名乗るのも許されません。
『未知の科学』と言うのは『現在』存在しません。科学とは常に『現在分かっている論理体系』であって、『未知の論理体系』ではないのです。
よって、それを『科学』の枠組みに入れたいのであれば、『科学』のルールにのっとって論理をまとめなければならない。
 

そしてホメオパシーは『水の記憶』と言う論文を手に入れたと言っていますが、これは『科学』で否定されています。
したがって、今でもホメオパシーは『科学』に復帰できていないし、ゆえに『科学』は名乗ってはならないのです。
『科学』を名乗るに足る『客観性』を持った『論理』が存在しないために。
 

もちろんですが

ホメオパシーで効能が出ることがあるのは当然です。
この場合の自然の対象を『人間』とした場合、人間には精神活動の違いにより、身体に影響が出ることが『科学として』判明しています。笑うことで免疫力が活性化するなど。
その一つとして、『薬効成分のない物を薬として与えた場合に、与えない場合に対して有意な差があると認められるだけの回復が見られる』と言うものが『科学として存在』しており、これが「プラセボ効果」として存在します。
ホメオパシーの砂糖玉も研究の結果、『プラセボ効果』は認められています。
つまりは「薬」と思い込んで飲んでいるがために、その精神効果によって身体に『良い』影響が出る可能性はあると『科学で認められています』。

 

しかし、それ以上の効果はないことは、物理学と化学で証明済みですね。なにせ、分子が存在しないのですから。