私的複製が成立する条件

次に、私的複製が成立する条件について詰めていきます。

第五款 著作権の制限
(私的使用のための複製)
第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

見ての通りと言うしか無いのですが、

  1. 個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)
  2. その使用する者が複製することができる

この2点が成立条件であり、重要な点です。

ではその解釈はどのように司法判断が行われているのでしょうか?

過去の審議会でここの解釈については

そこで、以上の趣旨を踏まえ、改めて法第30条の解釈を説明することとする。まず第一に、複製できる者(複製主体)については、「使用する者が複製することができる」と規定し、複製主体を使用者本人に限定している。もっとも家庭内においては、例えば、親の言い付けに従ってその子が複製する場合のように、その複製行為が実質的には本人(親)の手足としてなされているときは、当該使用する者(親)による複製として評価することができる。しかしながら、いわゆる音のコピー業者のような複製を業とする者に依頼する複製は、この要件に該当しないものと解する。

http://www.cric.or.jp/houkoku/s56_6/s56_6.html

とあり、現在に至るまで概ねこの判断で行われています。

今回のように「代行業者」と言うのはこの時点で「2」の要件に当てはまらず、従って「著作権権利者への権利制限の範囲外」と判断するしかなく、よって「違法である」と判断出来るわけです。